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去年の夏、カジキがヒットしたルアーだ。よく走るカジキだった。
ヒットして300m位で止まったので小さいカジキだと思った。
難なく200mくらい巻いてくるとカジキはジャンプして走り始めた。
突然すごい勢いでラインが出て行く。
あっという間に500mくらい出されてしまった。思ったより手強い。
また300m巻くが、すぐに300m出されてしまう。
数回やり取りしたが手元に寄らないまま、フックが外れてしまった。
悔しさが残るルアーだ。
今シーズンはこのルアーできっと釣り上げるぞ。
7月中旬までは明るいスカートにしてみよう。
イエロー、ライムグリーン、アウターはどっちにしようか?
インナーはピンクがいいかな?
去年は小型ルアーがよかったからスカートは短めのミニスカートがいいね! |
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数あるスカートを広げて、ひとつひとつ合わせながらルアーコディネートを考えていると |
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ルアーキャスティングをやったことがある人でも、トローリングルアーを見て
「こんなので魚が釣れるの?」と思うはずです。
頭でっかちのヘッドといわれるルアーヘッドにタコやイカに似たビニールのスカートを
付けたトローリングルアーは魚とは全く似て似つかない姿です。
でも見慣れてくるとそれはそれで1本1本がユニークなキャラクターを持っていることに
気がつきます。
陸の上では変な姿であっても、それぞれのルアーはいったん海の上にでると、
まるで生き返った魚のように波の間を優雅に大胆に踊り、逃げ惑う魚のように、
小魚を追う魚のように、水面を、水中を泳ぐのです。
それらのルアーは、白にブルーのラインが入った制服を着た少女のようだったり、
黒いコートの中に真っ赤なドレスを着た優艶な女性だったり、
カーキ色のイタリアンスーツにピンクのYシャツをカジュアルに着こなした
粋なオヤジだったりと、ルアーヘッドとスカートの組み合わせや、
ちょっとした工夫で様々に姿を変えていきます。 |
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自分の好きなように、逃げ惑う魚や、
今、海にいるベイト(回遊魚が追う餌の魚やイカ)に似せてイメージを膨らませて、
自分のオリジナルのルアーを作っていくのです。
お気に入りのルアーが出来上がると、海に持っていくのが勿体無いくらい愛着が
湧いてきます。
カジキのジャンプを夢見ながら楽しめる優雅で
ダイナミックなトローリングルアーならではの楽しみなのです。
言ってみればアームチェアーフィッシングならぬ、ワークテーブルフィッシングです。
こんな楽しいことを一度始めると、
完成済のルアーを買うのではつまらなくなってしまいます。
自分で選んだルアーヘッドと自分でチョイスしたスカートを
自分でリギングして、自分の手で完成させたオリジナルのルアーで釣る・・・!!
お気に入りのルアーには自分で写真とって名前まで付けちゃってもいいのです。 |
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準備するもの
ヘッド、スカート、ハサミ、
◎台所用洗剤、器
薄めてスカートに塗ってすべりを良くして装着します。
シリコンスプレーを使うこともありますが、すべり過ぎに注意。
◎ヤットコ
スカートを引っ張ったりするのに使いますが、
ダイソーで売っているものがいちばん使いやすいです。
ギザギザのあるラジオペンチはスカートがちぎれます。
◎仕付糸
スカートがはずれないように巻いておきます。
巻き糸(麻赤糸)やピンク糸、デンタルフロス、ナイロンテグスなどが使われます。
麻糸かナイロンテグス3号から5号が巻きやすいです。
◎マニキュアトップコート
仕付糸のほつれ防止に塗っておきます。接着剤と違い、
マニキュアは硬化して、力を加えれば割れてはがれるのが利点です。
ボートのボルトナットの緩み防止にも使えます。
100円ショップの透明なマニキュアを買ってください。
家の化粧台にあるのを使うと怒られます。 |
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ルアーヘッドにタコベイトを付けるには、2通りの方法があります。
タコベイトのくくる部分を折り返して、タコベイトをくくる仕付糸を見えないように中に入れる「中くくり」と、折り返さずにくくった仕付糸が外から見えるように付ける「外くくり」です。
折り返して仕付糸を隠すことにこだわる方もいますが、大切なのはスカートをつけたときのヘッド径とのバランスで、どちらにするか決めます。ネック径とヘッド径のバランスが各メーカーで違うためです。イカベイトは通常折り返すことはありません。 |
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スカートは全体のバランスを見て足を切って長さを調整したり(トリミング)、インナースカートの足を切って本数を減らして(スキミング)足のボリュームを調整したり、、、
例えば蛍光スカートの足を3本切ってインナーとアウターの間に挟んだり、と様々なテクニックを凝らして、ルアーがより魅力的になるように手を入れてください。
スカートにハサミを入れて自分の思うようなルアーを作り上げてください。 |
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ヘッドに付けるアウタースカート(外側)と
インナースカート(内側)を決めます。
その際にネックに合わせてみて、スカートのどこを切るか決めます。
通常はBで切るのがいいと思いますが、
Aで切って合わせてみてからBで切るほうが間違いないです。(右記参照)
海外ではかなり無理して細いサイズのスカートを装着します。
ヘッドより太いスカートはルアーの自然な動きを損なうからです。 |
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上の写真、上のルアーはスカートの肩が太くてい泳ぎに影響します。
このスカートは太い肩のところで切って大きめのルアーに付けましょう。
下のルアーのように自然できれいな形になるようにリギングします。 |
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インナーとアウターが同じサイズのスカートなら、当然インナーの方が長く仕上がります。インナーとアウターの長さを揃えるなら、インナーはCで切ってアウターはBで切る等、仕上がりをイメージして決めてください。
(上記参照)
インナーはちょうどいいサイズがなければ大きいサイズのスカートをネックサイズに合わせて切って付けたり、小さいサイズのものを2枚合わせて付けたりすることもあります。
あるいは、2枚の色の違うスカートを縦に半分に割って付けて、2色のインナーにする方法もあります。
始めにインナースカートから付けますが、インナーは折り返さないで付けます。付けたら仕付糸を5,6回巻いて止めて、マニキュアでほつれ防止します。
アウターを付けてヘッドの径に比べてスカートの径がひどく大きくならないように、仕付糸で括ります。マニキュアで仕付糸のほつれ防止をしておきます。 |
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スカートカラーはヘッドにカラーがあればその色に合わせたカラーを選ぶのが基本です。
一般的にクリアー無色透明の樹脂でインサート(ヘッドの中の貝やホログラム)が白や銀の場合はお好きなカラーにコーディネートしてください。
スカートカラーの基本は2色。アウターが1色の場合はインナーに違う色を合わせます。
スカートカラーとシーズンや時合の関係については諸説まちまちありますが、オフショア情報やルアー考察を参考にしてください。 |
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ルアーとスカートのバランスを見て、アウターの足を短く揃える(トリミング)とか、インナーの足の本数を減らす(スキミング)とか、スカートを装着してから、スカートの足を切って整えます。
ルアー全体の長さはベイトの大きさに合わせるのが理想です。ルアーヘッドの大きさはルアーの動きを決定する要因であってベイトの大きさに合わせるだけではありません。
ヘッドとスカートの長さがルアーの大きさを決定します。大きいスカートでも切って短くすることもあります。最近はアウターを短くして色の切り替えを前後で見せる場合もあります。スカートの裾を斜めに切ったりすることもあります。このようにルアー全体の形や大きさを調えることをトリミングといいます。
小型のルアーにダブルスカートを付けると、足が多すぎてルアーやスカートの動きが悪くなったり、足が絡んだりすることがあります。そのような場合にはインナーの足を間引きします。3本に1本の割合ぐらいで足を根元から切り落とすだけで、すっきりして足が絡まなくなったり、ルアーやスカートの動きもよくなったりします。
これをスキミングといいます。 |
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インナーの中や、インナーとアウターの間にあと1色、蛍光色やピンク、イエローなどを入れます。
組み合わせたスカートにない1色を、使い残したスカートを切って、足3本分くらいを仕付糸でとめます。
スカートにイエローのラインが入っていたりしますが同じ効果です。カジキにはピンク、イエロー、オレンジがよく使われます。
マグロ系には蛍光色やグリーンが使われます。イカスカートの場合はリーダーのスリーブに止めます。 |
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青系のスカートのルアーにホログラムシートで飛魚の羽(ヒレ)を付けます。
飛魚の多いときにはかなり効果がありますので、何本かは持っていたほうがいいです。
ホログラムシートかミラーシートをスカートに合わせて細長い三角形に切ります。左右2枚分用意して、スカートと同様に仕付糸でネック部分にくくります。
接着剤のついているホログラムシールではありませんので購入時には注意してください。 |
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古くから漁師さんの間で使われている魚皮ですが、カジキにも効果があります。スカートを付けたルアーに細長い三角形に切った魚皮を数枚、仕付糸でネック部分に止めていきます。
数ミリ幅に細く切った魚皮を何枚も付ける方法や、飛魚ルアーのヒレのように左右に大きめの魚皮を2枚つける方法があります。鱗がついたままのシイラやカツオの皮を飛魚ルアーのように付けると抜群の効果があると聞きましたが試したことはありませんが、理に適っています。 |
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ルアーズで販売しているフィッシュスキンスカートは名前のとおり、魚皮のように紫外線を反射するスカートです。形状が独特なので使いやすい場合も使いにくい場合もあります。
フィッシュスキンをダブルで組んでも実績は多いですし、インナーだけ使ってもいいです。縦に裂いてインナーとアウターの間に1色いれたり、イカベイトのフックのスリーブに止めて1色入れたり、切って使うとおもしろい使い方ができます。 |
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