フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
Vol.25 「お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう」 (2007.1.19up)

カジキのトローリングならハワイ島コナがあまりにも有名ですが、
コナまで行くとなると、ちょっと厄介だよね。
コナで2泊 ワイキキで2泊なんて落ち着かなくってやだよ。
コナだけの滞在じゃ俺はいいけど、みんながねえ・・・

だったらオアフ島ワイキキではカジキ釣れないの?
観光トローリングでシイラ釣らせるだけじゃないでしょ!!

ワイキキに遊びに行ったときに、ちょっとカジキ釣りに行ってもいいじゃん!!
コナは確かに実績もおおいし、チャーターボートの数も多い。
世界3大トーナメントの一つが開催されるのも、コナ。
それは認めますが、ロッド&リールによって釣り上げられた
世界最大のカジキ1805ポンド(約819kg)は
1971年6月10日、オアフ島ワイアナエ沖で釣り上げられているのです。
2人がかりで釣ったのでIGFA記録としては認定されなかっただけですから。

もっと気軽にワイキキでカジキを釣ってみよう・・・
ということで、あえてワイキキ、アラモアナショッピングセンターのすぐ近く、
ワイキキの中心から車で約十分のハーバー、
キワロベイスンのボートでカジキに挑戦してみまーす。


2005年5月


今回も、Maggie Joeで予約を取って、旗艦 Maggie Joeに乗船することになりました。
53フィートの大型艇なので多少の波でもこの前みたいにFBのシートから転がり落ちることもないと思います!
・・・・・にしてもこのハルの黄色というか、オレンジというか、
とにかく目立つ、趣味が悪い!
昔のカリブ海の漁船にこんな色があったかもしれないが、古いボートがもっと古く見える。
・・失礼。
歴史のあるボートがさらにその年輪を感じさせる・・・!!
これが正しい。
といっても、改装が行き届いているので、ボートの中は歴史を全く感じさせない。
アングラーとゲストのために居心地のよい空間を作っている。
ハーバーに着くと隣のボートSea Hawkにキャプテン デロ とクルーのスコットがいた。
一年ぶりの挨拶を交わして今日の健闘を称えあう。
知っている顔にあうと、心がなごむ。
少しだけ気分が高揚したまま、マギージョーのキャプテン リックにあう。
太鼓のように腹が出た中年のおっさんだ。
優しい笑顔だが、海の男の厳しい目の輝きはすぐ見て取れる。
さすがに名艇のキャプテンだ。経験も、実力も、気力も充分だ。
キャビンに案内されると、さっそく 恒例の質問を聞かれる。
「ミスター スズキ。
今日は何を釣りたいんだ、マーリンか、マヒマヒか?」

恒例の返事をする。
「マーリン、ジャスト フォア マーリン!」

キャプテン リックは満足してうれしそうに、うなずく。

「ザッツ ホワット ウイー ウォンッテッド トウ ドウ!」

そして、日本から持ってきたルアーを見せる。
輝迫ルアーのマグナムドラゴンをはじめ、大型ルアーばかりだ。
8号サイズやイカルアーを見せると、こんなちっぽけなルアーでカツオでも釣りに来たかと、馬鹿にされるので、はじめは見せない。
やっぱり輝迫ルアーのマグナムドラゴンに興味を持ったようだ。
女の子のゲンコツほどもある巨大な貝ルアーなんてとにかく目立つ。
その手作りの美しさと、ヘッドの形でどんな泳ぎをするかくらい、すぐイメージが出来るはずだ。
リックの目が変わってきたぞ。
キャプテン リックが本気になってくるのがジワジワ伝わってくる。

チャーターボートでカジキ釣るには、まずキャプテンを本気にさせなきゃ。
日本でも、ハワイでも、熱くならなきゃカジキは釣れないのは一緒です。

リックが動き出した! すぐさま出航の準備にかかる。
クルーのナイスルッキングガイもキビキビと動き出す。
デッキの上がマーリンに向かって一体となり、気迫が伝わってくる。

といっても、やっぱり、わたしはなにもすることがない・・・
まあ、みんなの仕事をのんびり眺めることにしよう。

チャーターボートの中にはゲストがFB(フライブリッジ、2階席)に乗るのを断ることも多いようだが、
ワイキキでは断られたことがない。
操船することさえある。
FB慣れしているので、沖に出てFBからの景色を眺めていないと、ストレスになるが、
ワイキキではそんな思いをする事もない。
FBもゲストのための広さがある。
ワイキキお気楽トローリングの良さはこんなところにもある。
キワロベイスンをでると、ボートは南に向かった。
15分ほどで、ボートが急に東に向きを変える。
キャプテンがなにか見つけたようだ。

チャプター1でもいったけど、沖出し15分でカジキのフィールドにはいっている。
15分といっても、10分くらいは航路の中をゆっくり走っての話だ。
ほんの2マイルそこそこ。
港もホテルもアラモアナショッピングセンターも目の前だ。
クルーに聞くとマグロのナブラのようだ。
ボートが近寄って沈んだようだが、無線で僚船に連絡している。
ボートはそこを離れて沖出しする。

ボートは南に向かってすすむ。
アレ?
南西の島の影にいくんじゃないの? と思っているうちにもボートはどんどん南に。
フ―ン、みんなそれぞれ得意のポイントがあるのか、
シーズンによってポイントが違うのか、
・・なにせ、日本みたいに瀬があったり、潮のさすルートがあったり、本流や反転流があるわけじゃないだろうから、
ポイント絞る感覚もちがうだろうね。
おまかせしよう。

リックが僕を呼んだ。
流すルアーを一緒にきめる、という。
左舷のコーナーとリガーの2本に日本から持ってきたルアーを流したい旨を伝えて、
輝迫マグナムと、輝迫の樹脂プロトタイプを選んだ。
リックは樹脂プロトより貝貼りの輝迫マグナムにすごく興味を持っているようだ。
デッキハンドのイケメン君(名前を3回くらい聞いたのだが忘れたのでイケメン君と呼ぶことにする)にルアーをセットさせて、リックはFBからルアーの動きを追っている。

「よく動くルアーだ、おもしろい動きだ。
よく動くルアーをカジキが追わないことがあるが、私はこのルアーが好きだ。 I like it.」

輝迫マグナムはフェイス面が大きく、動きはTOPGUNのN14と似ているが、より荒っぽい動きをする。
フェイス面のカットが強いからだろう。
スプラッシュもスモークも派手だ。
今回ワイキキで曳くために特別に作ってもらったルアーで、初めてその動きを見るのだが、見た目以上に派手な動きに驚いた。こんな貝ルアー見たことない。
それにしても海が静かです。
鳥も見えず、潮目もなく、トロトロっとした南国の海は最高のクルージング日和・・・
こんな日はクルージングで終わってしまう日が多いんだよね・・・
気分は最高だけど・・・
FBにあがってリックと話をしていても、瞼が重くなる。
ファイティングチェアーに座っていても、目がとろーん・・・。

眠くなったことを知ってか、イケメン君がどでかいルアーを持ってきた。

ヘッド長20cm径10cm全長70cmはある、とんでもない大きさのルアーだ。

アメリカ人の好きなジョークルアーだと思ったら、トーナメントルアーだという。
ここ1発、でっかなカジキだけ狙うときに流す。
このルアーで1000lbオーバーもあげている、
世界に3本しかないスペシャルルアーだそうだ。

それにしても、たまげちゃうサイズだ。

どでかルアーの出現で目が覚めた。
昼になってもベタ凪の海は静かなままだ。
カジキもマグロもマヒマヒもお昼寝したまま眼を覚まさない。
リックは双眼鏡から眼を離さない。
きっとなにも見えないのだろうけど、リックは僕にカジキを釣らせようと、
ほんのちょっとの気配も逃すまいと双眼鏡から手を放さない。

午後になって3回目のルアーチェンジを終わったころ、ボートが急に向きを変えた。

アフトデッキから前をのぞくと、右舷前方ハーフマイルほどに鳥が見える。
近寄ってみると直径300mくらいのところどころに鳥が群れをなして水面に浮いている。
リックは群れを散らさないようにその50mから100mくらい外側を廻り始めた。
イケメン君はスチールヘッドルアーのついた
ショートロッドをカジキルアーの間に入れると、
すぐ2kgくらいのメジがかかった。

丸々太ってうまそうだな、と思ったらイケメン君は
メジをデッキにころがしたまま、
ライブベイトフックをリグし始めた。

おいしそうなメジだったのに、
あっというまに海の中へ逆戻り。

リックは、イケメン君に指示してラインを30mほどのばしてデッドスローでボートを進める。

イケメン君はリールのドラッグをフリーにしてあたりを待つ。
5分ほどして、ラインを50mほどに伸ばす。
ラインには目印のゴムが巻いてある。
その長さでリリースゴムを掛けて船尾に止める。
ドロップバック(リリースゴムとロッドのあいだのラインの余裕。
カジキが喰いこみやすいように30mほどとる場合もある。)
はほとんどとらないで、リールのドラッグを完全にフリーにする。

イケメン君はリールから離れない。
1〜2分もしないうちにリリースゴムがバシーッと音を立てて切れた。
イケメン君はバックラッシュしないようにスプールを軽く押さえたまま、ラインの動きをみている。

リックがイケメン君に声を掛け、
イケメン君がドラッグを絞めるのと同時に
リックはゴーを掛けて
エンジンの回転を600から2000回転ぐらいまで
ほんの数秒間あげた。

ボートの進んだ距離はほんの10mか20m程度だ。
その瞬間リールのラチェット音が鳴り響く。

フックアップ成功だ。

ラインが勢いよく飛び出て行く。
150mほど先でカジキがジャンプする。
2度3度とジャンプを繰り返すが、大きくない。

ロッドを持ち、ファイティングチェアーにすわり、ラインを巻く。
80lbロッドに130lbが巻いてある。
切れることはないので一気に巻き上げる。

あれっ!もう終わりかい? と思うくらい簡単に寄ってしまった。

もう少しゆっくり楽しみながら巻けばよかったと思ってももう遅い。
リックとイケメン君のベテラン2人であっという間にランディングしてしまった。

10分もかからなかった。
マカジキ80lb約40kgでした。
その後また、眠い眼をこすりながらの
静かなクルージングが続き、
アウトリガーロングの輝迫の樹脂プロトタイプにカジキがじゃれついてきたもののフックアプしなかった。
樹脂にはカジキのハミアトをしっかり残していった。

餌になった2kgのメジと40kgのマカジキでも、
マギージョーはマグロとカジキのフラッグを高々と掲げてキワロベイスンに帰港。
帰港してからも、リックは輝迫マグナムに興味があるようで価格を聞いてきたので、
「使うなら置いていくよ」
と言うと喜んでくれた。

またまた、のどかなトローリングでした。

マカジキのファイトも
一時の刺激にしかならず、
ウトウト1日のんびり楽しめました。

海が穏やかだとやっぱり気分がいいですね。

4月には300lb400lbがあがっていました。


ベストシーズンの7月8月ではないにしてもやっぱり楽しめるワイキキのお気楽トローリング。
何度来ても、 のどかで、まったり・・・楽しいです。
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