フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
フィールドレポート カジキマグロトローリング ビッグゲームルアーズ
Vol.5 「Vol.5 お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう chap1
名艇 Maggie Joe マギー ジョー」
(2005.5.30up)
 
名艇 Maggie Joe マギー ジョー http://www.maggiejoe.com/

ハワイでトローリングするなら、コナに行かなきゃ・・・・

カジキのトローリングならハワイ島コナがあまりにも有名ですが、
コナまで行くとなると、ちょっと厄介だよね。

コナで2泊 ワイキキで2泊なんて落ち着かなくってやだよ。
コナだけの滞在じゃ俺はいいけど、みんながねえ・・・

だったらオアフ島ワイキキではカジキ釣れないの?
観光トローリングでシイラ釣らせるだけじゃないでしょ。

ハワイに遊びに行ったときに、ちょっとカジキ釣りに行ってもいいじゃん!!
コナは確かに実績もおおいし、チャーターボートの数も多い。

世界3大トーナメントの一つが開催されるのも、コナ。
それは認めますが、ロッド&リールによって釣り上げられた
世界最大のカジキ1805ポンド(約819kg)は
1971年6月10日、オアフ島ワイアナエ沖で釣り上げられているのです。
IGFA記録としては認定されなかっただけですから。

もっと気軽にワイキキでカジキを釣ってみよう・・・
ということで、あえてワイキキ、アラモアナショッピングセンターのすぐ近く、
ワイキキの中心から車で約十分のハーバー、
キワロベイスンのボートでカジキに挑戦してみまーす。

やっぱり有名なのはMaggie Joe。

ルアービルダーのアロハルアーに紹介していただいて、乗船。

今回は小型艇といっても41フィートのSEA HAWKでチャレンジです。
10月初旬とあってハワイでもカジキの最盛期は過ぎてはいますが、
この熱い海に来れば期待も高まります。
【1日目】

朝7時に港へ。

通常は6時出航ですが、
チャーターでしたから7時に変更してもらいました。

相変わらずのんびりしたもんだよね、私は。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
チャーターの場合、
きっと何を釣りたいか、聞かれます。

「マーリン! ジャスト フォア マーリン。」

とはっきり言わないと
観光トローリングのシイラやカツオ釣りに
なってしまいますので、
これだけははっきり言ってください。

ハーバーを出て1〜2マイルの所で
トローリングをしているボートが見えます。

いくらなんでもカジキじゃないだろう
と思いつつ聞いてみると、
狙 っているのはカジキだという。

ハーバーのすぐ前がカツオ、マグロ、
カジキのポイントになっているそうだ。

1マイル位のところでドロップオフになっていて、
一気に数百メートルまで深くなっているらしい。

本当かな?

どうもイージー過ぎて観光トローリングっぽさが残る。
キャプテン デロはそこから西に向かい
オアフ島の南西の岬沖を
今日のポイントにしているらしい。

ちょっと荒れ気味の海を 15分ほど走ると
ルアーを流し始める。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
港を出て30分、
西南西に向かったところで、ラチェット音がはじける。

リリリリリリリリー

ショートリガー 輝迫ルアーにヒット・・・したが、
ラインが30mくらい出て止まった。

シイラかカジキか、ルアーをあげてチェック、
でも傷がない。
貝ルアーは傷つきにくいのでこれが困る。

シュリンクチューブを確認。
うっすらと擦り傷が見える。

カジキのハミ跡だ。

Uターンしてしばらくねばるが、来ない。
目的のポイントまでまだあるので、先を急ぐ。

ヒットがない。

昼になってもクリック音が聞こえない。

キャプテンがせわしなくルアーを交換する。
こっちもあわせてルアーを交換してみる。

小さめの輝迫、黒蝶のコナを
アウトリガーショートに流す。

リリリリー…

3mほどラインがでて、止まる。
また、ばれたか?
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう

午後になってもヒットはない。

海も荒れてきた。

ぼーっとしていたらFBのシートから
転がり落ちてしまった。
自分のボートで出るときにはない気楽さが
緊張感を失わせている。

チャーターボートに乗っていると
いつものような準備やらセッティングやら
操船やら、無線やら、
ポイント探しやら、一切何もする事がない。

つまらないと思う人もあるかもしれませんが、
これはこれで、気楽で楽しい世界ですね。

始めは自分の仕事がないことに、
違和感を覚えたが、
何もしないでいいことに慣れるのは、すぐだった。

ファイティングチェアーの上で、
遠くの海や波や、それぞれのルアーの動きを
ずっと眺めていたり、
キャビンで寝そべっていたり、
FBでキャプテンと話をしたりと、
張り詰めた緊張感のない
カジキのトローリング。

こだわる釣りもあるだろうけど、
こだわらない釣りの、のほほんとした
楽しさが心地よい。

城下町を流れる小川で、屋形船にのった殿様が、
ひらひらとタナゴを釣る、そんな気分ですな。

お大臣釣師 万歳。

お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
さて、話が横道にそれました。
相変わらずヒットがないけど、
まだもう一日あるという、気持ちの余裕もあって、
3時には帰路に着きました。

ちょうどその頃、ハーバーのすぐ沖を流していた
僚船のMAGGEI JOE にカジキのヒット。

30分ぐらいで取り込んで、祝杯。
Blueの130lb。60kgぐらいのクロカワカジキ。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
ボートではCapt.Darryl(デロ)と
クルーのScott(スコット)、
受付のMiss Sheila(シーラ)が
待っていてくれました。

デロもスコットも若くて陽気なハワイアンガイで
日本から持ってきたジャパニーズルアーを見て
喜んでチャレンジしてくれることになりました。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
ロングコーナーには新作の
輝迫KIHAKU(きはく)ルアー

ロングリガーには輝迫KIHAKU(きはく)の
「白蝶コナ」


他はキャプテンのおすすめルアーを流すが、
どれもでかい。

ヘッド長8cm、径5cmはあるものばかりだ。
これならカツオもペンペンシイラも食ってこない。

荒れ気味なので波に負けない
大きめのルアーで勝負…というところかな!?
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
うん?
なんか付いてる。
軽く巻けるがなにかいる。

ジージー巻いていると大きいカツオが上がってきた。
6kgぐらいはある。

うまそー。

キャプテンがその場で刺身にしてくれた。
うまーい!!
水温が高いのでハワイのカツオなんか
おいしくないだろうと思っていたが、
そんなことはなーい!!
うまーいのだ。
カツオの赤身にほんのり脂がのっていて、
最高じゃん。
こりゃ驚いた。

これからは、カツオはハワイに限る・・・
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
その横を港に向かう我々のボートは、
釣ったカツオを刺身にして食べてしまったので、
結局手ぶらで帰港する事になりました。

でも、お大臣の釣り人はめげることなく、
「苦しゅうない苦しゅうない。
明日も頼みますぞ。ほな、さいなら」と、
ホテルに帰っていったのであります。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
輝迫ルアーの貝の輝きを見て
すばらしいルアーだ。
これは高いんだろうね、という。

手作りだから250ドルくらいだよというと、
ため息ついていた。

昨日のたった一度のヒットが
輝迫にきたのは悔しいんだろうね。

でもほしいんだろうな。
わかっているが、返事しない。

今日はデロのリベンジが始まるぞ。
きっと釣らせるぞ、
という気迫が伝わってくる。

頼もしいやつだ。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
20分位したところで、急に速度を落とす。
デッキに出てみると前方に大きな鳥山だ。

マグロ用の小型のメタルジェットルアーを
流すが喰ってこない。

その先にも鳥山が見える。
いつの間にか島影が見える所まで来ていた。

朝はいなかったのに鳥が多い。
鳥山の回りをかすめるように、
岬の北裏のポイントに入ってゆく。

リリリリリリリリー、

右舷ショートのラチェットがうなる、・・・

止まらない きたー、
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
夕方になると日本人の釣り好きな
観光客も気になるらしく、
必ず何組かがチャーターボートの帰りを
待っていて、興味深そうに覗き込んでいく。

せっかく来たんだからトローリングに
行ってみたいんだよね。

でもきっと声を掛けられないんだろうね。
英語の自信もないのかもしれないし、
波や船酔いも心配だろうし、
あと一歩前に進めない。

その気持ち痛いほどよくわかります。

30年前、始めてハワイに来たとき、
このハーバーを行ったり来たりしていたことは、
今でもはっきり思い出します。

小さなカジキでもみんな、大きいねー、
とか、すっごーい、とか、
男性は黙ったままの人が多いけど、
心の中はきっと熱く燃えているんだろうと思います。

もっとお気楽にチャレンジしてみようよ。

経験者でも初めてでも。

自然相手の釣りなんだから、
釣れるときは釣れるんだからさ。
釣れなくても釣りに行きたい欲求は満足するじゃん。

ワイキキから10分、ハーバー出て10分で
カジキのトローリング出来て、
至れり尽くせりで、のんびり釣りしてれば、
結構楽しめるじゃない。

コナに行ったってコんナもんだよ。

2日間で小さいけどカジキ1本 、シイラ1本、
大カツオ1本、これだけ釣れれば、
十分納得、楽しめました。

2日目】

やっぱり朝7時にハーバーへ。

キャプテン デロもスコットも、
わかっているのですぐ出航。

昨日のポイントに入ってヒットがないようなら
沖出しする、とか何とか言っていたが、
知らない地名やポイントや
用語がいっぱいでよく解らなかったが、
この海のことは任せればいい
と思っているので、

OK!
Let’s go for Grander.

といっておいた。
デロはニヤッと笑ってルアーの選択を始めた。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
8時には昨日のポイントに入る。

途中もノーヒットだからすぐ着いた。
潮目を1時間ほど流すが気配がない。

沖出する。

オアフ島から南西に流れる潮にのって沖出する。
海流が3ノット、ボートが8ノット。
で25マイルくらい沖に出た。

島影も見えなくなった。
たぶんこの潮の先には数千キロなにもない。
日本近海のように職漁船も本船もいない。

ここで漂流したら半年か一年で
日本に流されて帰るのだろうか。

(デロ!そんなに無理しなくていいから、
あんまり遠くまで出なくていいからね。
ほどほどにして島影が見えるとこまで戻ろうね・・)
心の中で言ってみる。

12時なってもカジキの気配はない。

デロが昨日のポイントの裏に行くと言って
仕掛けを回収しフルスロットルで岬の北に向かう。

残された時間は少ない。
デロも必死に走る。
波もそこそこあるので立っているのはつらい。
キャビンに下りて体を支えられる場所を探して
落ち着く。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
スコットがFBから飛び降りてくるのと同時に、
右舷アウトリガーのゴムがパシーっと切れる。

リリリリリリリー

ダブルストライクだー

両方とも100m位で止まった。
スコットがあわてながら、
どっちでファイトするか聞く。

右舷アウトリガーの方がラインの出が少ない
と思ったので、そっちから取り込みに掛かる。

巻く、巻く、巻く・・・急いで巻き上げる。
が、大きくはない

デロがFBからヘルプに降りてくる。
タイミング悪くカジキがボートに向かって走り出す。
リールの巻きが間に合わない。
デロはFBに駆け上がり、
ボートを進めようとした瞬間に、
ふっとばれてしまった。

フックアウトだ。

悔しがる前に、右舷のショートのロッドを持つ。
巻く、巻く、巻く、・・これも大きくない。
カジキじゃないかも。

魚影が見えるまでほんの5,6分。

スタンディングにして魚影を見ながらリールを巻く。
褐色の腹を見て、おっきなカンパチだーっ、
と思ったら、
申し訳ないほどのビルが付いていた。

スコットが簡単にランディング。

ブルーマーリン
約60lb 30kgのシンメでした。

ハーバーに戻って吊り上げるのも恥ずかしいくらいでしたが、記録を残すためにもって帰りました。
お気楽トローリング、ワイキキでカジキを釣ってみよう
思いのほか、カジキの気配は大きい。
6月7月8月のベストシーズンには、お遊びトローリングじゃなくて、
本気の500lbオーバーも十分楽しめますぞ。

1000lbオーバーのグランダーだって夢じゃない。

なんてったってMAGGIE JOEの記録は、1277lbのブルーマーリンですからね。

今度来るときは、マギージョーに乗ってみたいな。
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