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Vol.3 「モモイライン
シロカワカジキ ランディングレポート」 (2005.4.11up) |
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なんとなく、評判のいい
「Momoiライン」
海外での評価はより高いようだけれど、
やっぱり使ってみなくちゃ、わからない。
ちりちりちりちりちょりちょりちりちりちゃりちゃりちりちり・・・・
静かな夜更けにリールの回転音が絶え間なく聞こえる。
横には400mくらい残してラインブレイクした80lbラインが、
古くなったお人形のカーリーヘアーのようにねじり合い、
絡み合い、もつれあったまま
一つの固まりになってころがっている。 |
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一瞥するとそのラインの先に、
ラインブレイクのすぐ後にジャンプしたカジキの、
勝ち誇った雄姿が浮かんでくる。
くやしさが、込み上げてくるのを、自分自身でなだめる。
「2本に1本あげればいいさ、
運が悪かっただけさ、
次にでかいのあげればいいんだよ」
「いや、運が悪かったんじゃない。
なにかが間違っていたんだ。
ラインがたるんでいるのに、うっかりしていて、
リールを急いで巻くように指示さえできなかったんだ。
そのときにすでにラインブレイクしていたのかもしれないし、
たるんでペラか船底に触れたとすれば
ニュートラルのままにしておけばよかったのかもしれない。」
「自分を責めるなよ、遊びなんだからさ。
掛かったカジキを全部取り込めるのならゲームじゃないよ、
つまらないだろ、いつもパーフェクトじゃ・・」
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ちりちりちりちりちょりちょりちりちりちゃりちゃりちりちり・・・・
夜中に一人で1000mのラインを巻くあいだに
カジキを夢見て、いろいろ考える。
なぜ、ラインが切れるのだろう。
80lbのラインなんて、人間が引っ張ったくらいじゃ絶対に切れないのに・・・・
結束が下手だった。
塩を含んで弱くなっていた。
ペラに巻き込んだ。
そんなことより、漂流物に触れたんだろうな、きっと。
ラインが700m後ろに出ているとき、
カジキが数十秒で真横に来たとすれば、
700mのラインが動く面積は約0.4平方km。
それを3回繰り返すと約1平方キロメートル。
(単純計算ですが)
1km四方の水面に漂流物がある確率は高いと思う。
その漂流物にテンションのかかったラインが触れたら・・・・
きっと切れるだろうね。
漂流物に強いラインが、ブレイクの少ないライン。
傷に強いラインがいいラインだろうね。
太いことと、表面が硬いこと、この2点が、
実釣でのライン強度ということになるのかな?
Momoiのハイキャッチが海外での評価が高いのは、
そういうことが理由の一つになっているんだろうな・・・・
などと考えつつ、
ちりちりちりちりちょりちょりちりちりちゃりちゃりちりちり・・・・
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【Momoi
ラインフィールドレポート】
なんにしてもラインを1000m巻くというのは大変です。
古いラインを抜くだけで、一休み。
MIYAのテンションアジャスターを付けて
ハーネス付けて準備が出来て一休み。
ラインを巻くのはこれからなんだよなー・・・と、
ため息交じりの気合をいれて、ちりちり巻き始める。
Momoiラインの独特の質感が気持ちいい。
0.08mmの太さの違いでも、
蛍光イエローの発色のせいか、倍ぐらい太く感じる。
0.08mmってこんなに太かったっけ?(80lb、径0.92mm)
均等に巻くためにラインに添えた指の感触は悪くない。
表面硬度は硬いのに、しなやかさを感じる。
褐色の引き締まった肌、しなやかなボディーライン、
カリブ海のビーチにいるTバックの健康的な女の子・・・
みたいな感じかな。
熱い情熱と、したたかな強さも持っていることも承知の上でね。
( ・・・言っとくけど、想像の話だからね。変なうわさ立てないでよ!)
こんなことでも考えていなきゃ、1000mもちりちり巻いていられるかってんだ!!
ちりちりちりちりちょりちょりちりちりちゃりちゃりちりちり・・・・・
あー疲れたぁ。・・・・・ |
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2004年8月
海況 先日の台風のうねり2.5mが残る、
午後から西風が吹く予報 |
08:00
マリーナ 出航。
沿岸を南下し、潮を探す。
数日前に沖3マイルくらいにあった真っ青な潮がない。
北進する黒潮が東に振れているところに、
台風の影響があって潮がかわったようだ。
沖の海溝の南端のポイントを
一つの目安にして潮を探すが、
20マイル南下しても潮がない。
情報を聞いても、
これ以上南下してもなさそうなので、
途中18マイルにあった、
潮目にもどって流してみる。(22'38') |
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10:00
いつものようにコーナーショート3波にトップガンN14
赤黒のフィッシュスキンのベイト。
ことしの3ヒットはすべてこれにきているので定位置になっている。
トップガンを囲うようにその日の気分でスクールを作っていく。
コーナーロング4波はニューフェイスのルアーの試釣。
リガーショートとロングには潮切ヒコーキ60-70m(あとで50m)
センターロング80mくらい、大きく広げる。
南北に3マイルくらいの幅のジグザグで東に移動しながら流す。
3mのうねりが残っていて、潮切りヒコーキが波に突っ込み、
ジャンプ!!
アウトリガーが大きくしなって、
バクダン引っ張っているみたいだ。
アウトリガーの弾力が
ルアーの動きの邪魔になっていると判断して、
アウトリガーからラインをはずす。
潮切ヒコーキがすこし落ち着きを取り戻す。 |
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11:15
今日最初のヒット(22'39)100mほどラインが出るが、バラシ。 ルアーをチェックすると、カジキのハミ跡。
徹底的にここで粘ることに決め、周辺を曳く。
GPSに位置を記憶させて、航跡を残すよう操作するがうまくいかない。
GPSを使いこなせるように、と思っているが、めんどうくさい。 (これでいいのか!!)
ヒットしたら、すぐドラッグを締めるよう指摘。
(ストライクポジションで9kgの設定。
締めて12〜13kgテンションにあげる。80lbタックル)
ヒットのあとのGOは、してもしなくても、といったところだ、ということなので、
慣れていないクルーの安全を考えて、GOはしない。
カジキが走ってからドラッグ締めれば十分。
準備は余計なことまで入念にするが、本番では、しなくていいことはやめる。
出来るだけ単純にすることで、間違いと事故を減らす。
なおかつ、全員の共通認識が得やすい。
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11:45
ショートコーナーのトップガンにヒット。
すぐドラッグをFULLとストライクの4分の1くらいまで、
締める。
他のロッドを片付け、
300か400mくらいラインが出たところで
ドラッグをストライクポジションに戻す。
後方600m先でカジキがジャンプ。
ラインが止まり、ファイト!!
80lbのラインははじめて使うMomoiの蛍光ライン、
太いので今まで敬遠していたが、
視認性が高く、いいかも。
ドライバーやクルーにとってラインの視認性は重要。
0.92mmと太目なのでティアグラWなら900m巻けるが、
PENNだとWでも800mか。
ラチェットをいれたままカリカリ巻いていたら、
ラチェットが壊れると指摘。 |
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12:45
残り250mくらいでもぐったまま、あまり動かない。
ロッドを立ててもラインがズルズル出て行くだけだ。
カジキが走らなければ、だいじょうぶと、スプールを手で押さえて、巻く。
このときドラッグを締めてしまうとカジキが走ったときに、
ラインがブツン・・・ だそうな。
ただ、カジキが走ると、スプールやラインで、手が擦れて熱い。
「カジキを休ませるな、蘇生するぞ。」
「カジキにプレッシャーを続けろ、自分が休むな。」
フー、一服したいなー。
ここでタバコを一服したてらキャプテン怒るだろうなー。
背中に水をかけてくれた。気持ちいい。
13:30
あと100mでさらに重くなった。
どんどんラインが出てしまうのでスプールを両手で押さえる。
指が熱くなるがMomoiラインの太さが安心感に変わる。
リールのハイスピードをロースピードに切り替えたので楽に巻ける。
こんなことに気がつかないでいた。
両手でスプールを押さえ、
ポンピングしながらがんがん巻く。
この頃にはMomoiラインに絶対の信頼を持つようになった。
2時間ファイトしてもラインにダメージはない。
太い、から切れない。
デスダイブに入られないように、ラストスパート。
カジキが泳ぐ、首を振る、
その感触で生きていることを確認。
「ラインが出て行くってことは、生きているってことだな。」
「死んだらリールじゃあがらないぞ。」
「うまいカジキが食べたきゃ早くあげろ、」
ギャフの準備、
ロープは12mm以上ないと
カジキと引張りっこ出来ない。
皮手袋はブカブカのものでないと危険、
腕まであるのがいい。
2セット必要。
14:00
「あがってきたぞー、あとちょっとだ!・・見えた!!」
「・・・俺の位置からじゃ、まだ見えないんだよー・・・
ファイティングチェアーから降りてのぞきに行こうかな。」
水面に巨大な腹がブワーっと浮いた。
魚が見えた。
と思ったら、また潜っていった。
カジキもラストスパートしている・・
ボートの左舷側にカジキを寄せるよう、
リーダーマンとドライバーとのチームワークで、
操船しながら、最後の根性ファイト.。
5分後、
再度寄ってきたカジキは瀕死の状態。
敵ながら最後の最後まで戦い抜いたあっぱれなやつ。
リーダーが尾に巻きついていたので、重かったのだ。
リーダーをとり、ギャフを用意、
リーダーマンが船尾側に、ギャフマンが船首側に。
ロッドはセンターのロッドホルダーに。
フックの掛かり具合を確認、
外れそうだったので、緊張する。
ギャフは胸鰭の前あごの下にいれて、
鰓蓋を突き抜けさせる。
トタン板を打ち抜くような感じ。
あとでわかったことだが、
ギャフの返しが エラの骨や筋に引っかかって抜くのは大変・・
つまり抜けない・・
エラの血抜きもOK。
血が海を染める。
カジキが横たわる・・・
ハッチを開いて取り込み。
2人がトランサムデッキに出てデカ頭をデッキにあげる。
ギャフのロープをはしごのパイプに回して引く。
カジキの体が横のままではハッチを、通らない。
外の2人がカジキの腹を上にするのと、
同時に船内に引き入れる。
頭がハッチを抜ける。
もう一度引いて魚体をボートに入れる。
船のゆれもあって、引いたときに
カジキがすべってきて
自分にまっしぐら・・・
ビルがすねに直撃、
すねの骨に当たり5mmの、穴があいた。
血がだらだら・・、
菌が流れでるように、ほっておく。
当たり所がふくらはぎだったら、
深く刺さっていたかもしれない。
自分のほうに引っ張らないようなロープ回しを考えよう。
ビルの先にチューブを挿すのもいいかも。
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14:16
シロカワカジキ 132kg
2時間30分のファイトの末、
ランディング。
気がついたら、西北西に10マイル流されていた。 |
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「Momoiライン」は、強引な寄せに強いです。
太さがあるから漂流物などにも強いから、
長く出されたときも安心。
デスダイブにも有利。
・・・・実感しました。
高くないのもいいですね。 |
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